日本国内の縫製工場は年々減ってきている一方、各社(縫製工場により)生き残り方をかけた戦略的受注を受けるで受注を受けるようになっているように思われます。 例えば、海外では生産の難しい小ロット生産をメインとした縫製工場、海外では間に合わない短納期を中心として受注する縫製工場、価格を海外に近くし、大ロットを中心に簡単なTシャツのみを受ける低価格縫製工場、そして弊社のようなロット小ロット〜大ロットまでで、縫製が難しくクオリティーを高く求め海外向きではない商品から、素材が難しい商品、簡単な商品何でも受けられる縫製工場などになります。 また、国内縫製工場の90%以上の工場は外国人研修生・外国人実習生に依存をしてしまっているのも現状です。 ここでは、これらのような国内縫製工場の現在を詳しく書くチャプターにまとめて記載させていただきます。 |
1:国内縫製工場について |
国内の縫製工場には、縫製する商品(アイテム)ごとに専門とした縫製工場があり、例えば、パンツはパンツ専門の縫製工場、カットソーはカットソー専門の縫製工場、そのカットソーの縫製工場の中でも子供服と大人服が分かれるなど本当に細かな商品(アイテム)ごとに分かれています。 このように縫製アイテムがわかれてはいますが、そのアイテムでなければ縫えないといったことはありませんし、受注してもらえないわけでもありませんがこの線引きは、縫製工場が得意とする分野であること、即ちキレイに縫製できる。又は安く縫製できるということになります。このような各縫製工場の得意分野を理解したうえで縫製する商品の発注や相談を行っていきます。 |
2:国内縫製工場の仕事について |
国内の縫製工場の仕事量は、年々低下する一方ですが、その物流量に比べて縫製を行える縫製工場の数も減っているために現在運営をしている縫製工場はそこまで仕事がないという状況ではありません。 しかし、どんな商売も同じですが仕事の内容によっては採算が取りにくい商品もあり、すべてが受注していい商品、自社の縫製スタイルに合っている商品とは限りません。そのいきあめも営業スタッフには求められるのです。 |
3:国内縫製工場の件数について | ||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||
縫製工場の件数は、年々減少を続けていますが、実際には何件の縫製工場が国内には存在するのか? 下記の表を見るとわかります。 この表を見るとわかるように件数はまだまだあるように思いますが、この件数の80%いじょうの工場が高年齢化をしていると考えたときに、10年後の件数は何件になるかわかると思います。
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4: 国内縫製工場で働く人の年齢について |
国内の縫製工場で働く人の年齢は2つに分かれています。 1つ目は、経営者の年齢が高い会社。このような会社は定年近い人材が多く、今後廃業していく可能性が高い縫製工場になります。 2つ目は後継ぎがいる縫製工場です。このような縫製工場は、工場の方針にもよりますが、年齢層が比較的若く20代もいれば30代のスタッフもいるのが現状です。 しかしながら、全国的に国内の縫製工場で働く方の平均年齢は他業種に比べると圧倒的に高く、50代以上が多いという状況です。 |
5:国内縫製工場の現状について |
国内の縫製工場は年々件数が減り2027年には現在の縫製工場数の30%程にまで減少すると思われます。 その理由の一つ目に、後継ぎ問題です。現在運営をしている縫製工場のほとんどの経営者は55歳〜70歳と年齢が高く、その後継者がいないことです。国内の縫製工場は20年以上前より海外生産(人件費の安い東南アジア)と戦って生産している為、決して運営が楽でないことがこのような後継者がいない現状を創り上げたと考えられます。 2つ目に、人材の不足です。現在、縫製工場で働いている人材は経営者と年齢が変わらない為、年齢が高く新しい人材が増えるというよりは減る一方なのです。その原因に、低賃金や経営者が高齢の為、若い人材が将来を描くことが難しいといった現状があります。 最後に受注についてですが、これも同じく海外生産に仕事を奪われるために日本製の商品を受注してくるのは年々難しくなり、企業努力といったようなレベルでの採算取りは難しいといった状態なのです。 |
6: 国内縫製工場の縫製レベルについて |
国内の縫製工場レベルは、年々低下をしています。 その理由の1つに外国人研修生度があります。外国人研修生度は外国人研修生が日本へ日本の技術、文化を学びに来ることが本来の趣旨であったにも関わらず、現在ではその外国人研修生が日本の縫製工場のキーマンとなり活躍しているのです。 日本製と言っている商品の多くも、日本で生産をされているだけで実際に手掛けて縫製している人は外国人である物が多くあり、日本のものづくりというよりも、外国人が日本で作った商品が日本製として製品となっているので日本人らしい繊細な縫製商品ほんの一部なのです。 また、その日本人が作る衣類商品も日本人スタッフの高齢化によりなかなか見ることがなくなりました。 弊社では若いに日本人スタッフに技術を継承する為に、現在は外国人研修生の受け入れを辞め、日本人スタッフの育成に努めております。弊社の日本人スタッフは半分が40歳以下で構成されており、その一方で高齢の熟練スタッフが技術の継承を行えるよう現在運営をしております。 |
7: 国内縫製工場のかかえる問題について |
国内の縫製工場がかかえる問題はいくつかあり、1つ目は人手不足です。募集をしてもなかなか集まらず、過去に採用した定年間近の社員で工場を運営している国内の縫製工場がほとんどです。その結果、現在の社員が定年を迎えるとその縫製工場も廃業となる可能性が高いということです。 2つ目は、技術者不足です。1つ目の問題と似た部分もありますが、縫製工場に勤めている社員の技術が低下しているということです。これは、外国人研修生を受け入れている企業によくあることで外国人研修生は3年すると研修生度のシステムで帰国することとなり、帰国した研修生は、研修生としては二度と日本には入国し研修を受ける事はできないシステムで、毎年新しい研修生を募集し、採用していても仕事を覚えたころには帰国してしまうのです。また、この研修生度も今や20年を超え、新しく日本へ来る研修生の募集をしても、年々レベルが下がり、今や素人同然の希望者しか集まらないのです。 このようなことが国内の縫製工場で技術者が不足している原因として考えられます。 3つ目は、海外生産の商品との価格競争です。 衣類製品は、海外生産が今や多くのシェアを占め日本製は少ないです。その理由には海外生産で生産する商品は人件費が低い為、原価が日本に比べると安く、輸送コストを入れても日本国内の生産原価より安く仕入れることができるのです。 その結果、他業種に比べると人件費が低い一方で求められるスクルが高い為、新たな社員が募集をしても集まらないという悪循環を起こしているのです。 |
8: 国内縫製工場はどうしたら生き残れるのか |
国内の縫製工場では、今までに生き残りをかけたたくさんの取り組みをしてきたと思いますが、これから迎える新しい時代は今まで取り組んできたような生き残り対策では生き残れなくなる可能性があり、今後は新たな取り組み、企業努力が必要になると考えられます。 その一つに、営業です。現在はメーカーさんやブランドさんへの営業として電話のみでの受注をされている国内の縫製工場が多くあると思いますが、今後は、月に1度、少なくとも2カ月に1度はお客様の下へ営業へ行かれるなどの行動は必要となります。これは、直接会うことにより、相手の気持ちや、感情を直接受け止めることができるほか、交流が深まるため、縫製工場が今かかえている問題を直接相談や理解していただける、お客様も一緒に仲間として考えていけるからです。 2つ目は、若返りです。現在の縫製工場の平均年齢は前説にも述べたように定年間近の人材で運営しているところが多くありますが、これを1歳でも若くすることです。考えてみてください、縫製工場へ発注してくれるお客様の年齢はおいくつでしょうか?その方達よりも20歳以上も上の年齢で縫製する縫製工場へ発注するのは決して将来があることとはいえません。 |